ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー - Anko3015 鳥籠
『鳥籠』 6KB
観察 小ネタ 日常模様 飼いゆ 現代 うんしー 22作目です。前作からかなり間が空いてしまいました、すみません
『鳥籠』
窓際に据え置きされた鳥籠に
ゆっくりれいむがちょこんと一匹
ペットショップからやってきた
銅バッジ付きのちいさな子れいむ
大きな大きな鳥籠に小さな小さなゆっくりれいむ
一見似合わぬ組み合わせ
それでも道具を一通り
鳥籠の中へ搬入すれば
見劣りしない立派な立派なれいむのお家
不安気だったれいむのお顔も
今はちょっぴり嬉しそう
小さく微笑む飼い主に
笑顔を見せてぴょんぴょん跳ねる
れいむが跳ねるお家の底には
ティッシュがぎっしり敷き詰められて
れいむのあんよはしっとりつやつや
赤いお飾り銅色バッジ
真っ黒い髪に小さなおさげ
薄ピンク色のもちもちお肌
ゆっくりれいむは鳥籠の中で
これから素晴らしいゆん生を過ごす
立派な家具をもらったれいむは
おうちの中をぐるりと見渡し
思いのままに散歩を始める
籠の中をうろうろすると
大きな木箱に行き当たる
中にはふかふかな綿がいっぱい
小さなれいむはその中へ
木箱の中は居心地よさそう
子れいむはそこを寝床にしようと考え
小さな声でお家宣言
「きょきょはれいみゅのおうちだよ」
異論を唱えるものはおらず
木箱はれいむのおうちになった
やがてれいむはうとうとし始め
綿に包まれお昼寝タイム
何かいい夢見ているのかな?
お顔がニッコリと笑ってる
おめめが覚めたら冒険再開
寝床の外に出てみると
広い砂漠が遠くにちらり
そこへ向かって歩き始める
とっても遠い砂漠への道
すぐに疲れてしまったか
れいむは途中で立ち止まる
そして「しーしーでるよ」と言い出して
突然その場でいきみ出す
すると飼い主手を差し伸べて
砂場の上へれいむを移す
「ここでしーしーするんだよ」
飼い主はれいむに対して注意する
子れいむは聞いているのかいないのか
体を前後にぷるぷる震わせ
砂場の上にしーしーを出す
しーしーが終わるとれいむのお顔は
とってもすっきりした表情
ところがそこで辺りを見渡し
何かが無いのに気づいた様子
目をうるうるとさせ始め
おきゃーしゃんおきゃーしゃんとすすり泣く
親から離れた子れいむは
1匹だけでは寂しがり
1匹だけでは何もできない
飼い主が鳥籠の中に手を入れて
れいむの頬に小指をすりすり
甘えん坊の子れいむは
頬をつたい落ちる涙のしずくを
ぷるぷるぷると振り払い
小指に体をすーりすり
すりすりするのは落ち着くようで
れいむはやがて泣きやんだ
飼い主はそこで手を引っ込めて
クッキーの袋を破って開ける
黄金色のクッキーが
お家の中に入ってくると
れいむはすぐに寄っていき
「なにしょれ?なにしょれ?」と興味を示す
一口ぺろりと味見をすると
れいむの顔がパーッとほころぶ
「し、しあわしぇーーーーあまあましゃんはゆっくちできりゅよ!!」
引っ越し祝いのあまあまクッキー
一切れ二切れ頬張ると
悲しいことも忘れてしまい
元気がたくさん沸いてくる
甘くておいしい魔法のクッキー
れいむはなんだか元気が出てきて
鳥籠の中をちょこちょこ歩く
水浴びできる小さなプールや
キラキラ光る石を見つけて
れいむはとってもご満悦
寝床に戻るとふかふかさんがいっぱい
今日はいっぱい冒険したので
れいむはとっても眠たそう
ピカピカ石を寝床に持ち込み
それを抱いて今宵は眠る
今日はとってもいい一日だったね
明日はどんな一日になるんだろうね
いろんな思いを巡らせて
れいむはすーやすーや寝息を立てる
それから毎日子れいむは
心がうきうきするような冒険を積み重ねていった
水のプールで水浴びをした
食べ物がたくさんある場所も発見できた
れいむの狩りは百発百中
おいしそうな木の実や葉っぱを
小さなお口に溜め込んで
寝床へせっせと持ち帰る
今では自ゆんの寝床の中に
ご飯がいっぱい蓄えられて
子れいむはとってもゆっくりしているようだ
鳥籠の中は意外と広く
体の小さな子れいむは
世界をとっても広く感じた
遠くまで続くティッシュペーパーの海
遠くに見えるは広い砂漠や水のオアシス
世界の端にはとっても高い
銀色をした鉄の山
その真ん中に木箱のお家
子れいむは世界の真ん中に自ゆんがいると感じ
世界に向かってお家宣言をする
「きょきょはれいみゅのおうちだよ!!ゆっくちしていっちぇにぇ!!!」
誰も反対するものはいない
晴れて世界は子れいむのものに
子れいむはとってもとっても嬉しそうだ
世界の内側には外敵が入ってこない
世界の外側には優しい優しい飼い主さんがいて
子れいむのことをとても可愛がってくれる
子れいむは飼い主さんのことが大好きになった
飼い主さんと子れいむの笑顔はとても輝いて見えた
それからそれから子れいむは
みるみるうちに大きくなって
鳥籠の中で窮屈な日々を過ごしている
少し歩けば行き止まり
今では寝床にも入れないので
木箱の寝床は無くなってしまった
ピカピカ光る石もどこかに消えてしまった
お水のプールも今では水溜り
広かった砂漠はただのトイレ
床のティッシュはじめじめしていて
れいむのあんよは自ゆんの排泄物で汚れている
高くそびえる鉄の山はれいむにとって
お外に出るのを妨げる邪魔な棒でしかない
飼い主さんに虐められることはないものの
その代わりかまってももらえない
今ではすーりすーりもできない
あまあまクッキーも食べさせてもらえない
自ゆん以外のゆっくりに出会う機会も全くない
ゆっくりれいむが飼われる前
鳥籠の中で文鳥が飼われていた
やがて老いた文鳥は
鳥籠の中で死んでしまった
れいむは飼い主の心を癒すただの玩具
しょせん大きくなったら小さいころの可愛さは
跡形も無く消え去ってしまう
飼い主もゆっくりれいむにもう飽きて
今は鳥籠の中に放置するのみ
最低限の餌を与えられ
れいむはそこで日々を過ごす
鳥籠は窓のすぐそばにあり
れいむは鉄の棒と窓ガラス越しに
お外の世界を見ることができる
視線の先には2匹のゆっくり
小道を歩むれいむとまりさ
2匹は広いお外の世界を
自由自在に歩き回る
2匹はれいむの飼い主さんの
家の庭に進入してくる
2匹はそこで高々と
嬉しそうにおうち宣言
その後2匹は仲良くいっしょに
花壇の花をむしゃむしゃしたり
蝶々を追って左へ右へ
2匹のことを羨ましそうに
籠の中から見つめるれいむ
「れいむもおそとにでたいよぉ、ゆっくりできるまりさといっしょに
おはなさんをむしゃむしゃして、ちょうちょさんをおいかけたいよぉ」
飼い主さんはれいむの話を聞いてくれない
それどころか鳥籠の中からも出してくれない
その夜しくしく泣いていると
飼い主さんがやってきて
久しぶりのあまあまさんを
れいむの前に差し出した
「ゆ、あまあまさんしあわせーーー!!そうだよかいぬしさんはほんとうはいいひとなんだよ
れいむもおりこうさんにしてたらいつかきっとおそとにだしてもらえるんだよ!!
かいぬしさん、ゆっくりしていってね!!」
鳥籠はれいむの安全を守ってきたが
同時にれいむの自由を奪った
お外に出たいという夢も
籠の中では実らぬ徒花
鳥籠に幽閉されし餡子鳥
飛翔し得ぬも年だけは取り
やがてれいむは老いていき
外の世界を知らぬまま
鳥籠の中で息を引き取る
銅バッジは頭についたまま
小さな小さな鳥籠に大きな大きなゆっくりれいむ
一見似合わぬ組み合わせ
それでも死骸を一通り
鳥籠の外へ搬出すれば
見劣りしない立派な立派なれいむのお墓
楽しげだったれいむのお顔も
今はちょっぴり寂しそう
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