2012年3月27日火曜日
■ケージを安全な場所に用意しておく
小動物はケージや水槽で飼育されているため、自力では逃げることができません。いざ災害というとき、小動物を素手で抱いて飛び出すと、物音や人に驚いて逃げ出す場合があります。また、ケージがないと、避難所での生活にも支障が出ます。
小動物や鳥のためのケージ、キャリーバッグなどは事前に用意をしておき、普段から安全な位置に置いておくようにしましょう。災害発生時、それらを手にできなかった場合は、段ボールなどの箱やボストンバッグ、洗濯ネットなどに入れて避難します。
また、救援物資として小動物用のフードが届くことは考えにくいため、どの小動物も、「普段食べなれているフード」、「給水ボトル」、「ペット用の消臭剤」を用意しておきます。
ケージやキャリーバッグに入れたペットとそれらを持ち出すにあたり、あらかじめ家族で担当の動物を決めておき、家族が家にいない場合も含めて段取りを話し合っておきましょう。
■脱走に注意して、適温に気を配る
次に、小動物ごとに、避難の方法をご紹介します。
ウィスコンシン州のミンク提起である
<うさぎ>
体重は約1㎏~8㎏で、災害時はうさぎ用のケージを持ち出すには大きすぎると考えられます。また輸送時には暴れてケガをする危険性もあります。あらかじめペットショップで相談して、移動用のキャリーケースなどを用意しておくようにします。
うさぎは尿量が多く、猫などのキャリーケースに入れて運んだ場合、始末が大変です。また、うさぎは湿気に弱く、仮にタオルなどを敷いたとしても、ぬれタオルで体を冷やしてしまいます。タオルやシーツの交換時に脱走することがありますので、注意して取り換えましょう。
うさぎ用のフード以外に、野菜や果物、牧草などを食べることができます。牧草は巣材としても使用することができるので、長めのものをストックしておくといいでしょう。
また歯が伸び続けるため、かじり木や固くブロック状にしたおやつなども用意しておく必要があります。
うさぎにとっての適温は18℃~25℃。湿度は40%~60%くらいだと言われています。湿度が苦手なので、事情が許す限り、夏や梅雨時はケージを風通しがよくて乾燥した場所に置きましょう。
冬は、保温対策を考えなくてはなりません。避難場所が寒い場合、ケージ内に巣材を多めに入れ、ケージごと大きめの段ボールにすっぽり入れて囲う、またカイロをケージの表に張り付けるなどの対策をとります。
<フェレット>
安全性・快適性・耐衝撃性の高い移動用ケージを用意しておきます。穴状態を好む習性があるので、落ちつきやすい状況を作ってあげましょう。ハンモックはストレスを少なくするアイテムです。
普段のケージはフェレット用、うさぎ用を使用していることが多いと思われます。輸送の際にはケージをよじのぼって思わぬケガをしたり、また大抵のケージが床がはずれるようになっているため、避難時にはずれて脱走をしてしまう場合がありますので避けたほうがいいでしょう。
ヒョウのヤモリは、玄武岩はそれらをペットどうしますか?
専用フードがない場合は、キャットフードで代用できます。ドッグフードは栄養もカロリーも不十分で適しません。のどが渇くと食欲が落ちるので、水を欠かさないようにする必要があります。
好奇心旺盛なので脱走に注意し、遊ばせる際には段ボールなどで安全なエリアを作り、その中だけで遊ばせます。100%安全だと確信がもてる場所以外では、外で散歩させないようにしましょう。
適温は22~23℃で暑い夏が苦手。エアコンが使用できない場合は、犬用の冷却マット、保冷剤、瞬間冷却パックなどを布にくるんで利用してください。
<モルモット>
避難する際は移動飼育ケージを使用します。ただし、モルモットは体のわりにフンや尿の量が多く毎日の掃除が必要なため、あくまでも移動用として考えたほうがいいでしょう。
避難先では小型犬用ケージの床にスノコをしき、牧草などの床材をしきつめたもので代用ができます。
モルモットは大変臆病(おくびょう)で環境の変化に敏感なため、ケージよりもひとまわり大きく丈夫な段ボールなどで囲み、外界を遮断する方が落ちつきます。そのほか衣装ケースなど、通気性を考えて給水ボトルがとりつけられるように改造すれば、飼育ケージ、移動ケージとして用いることができます。
モルモットは体内でビタミンCをつくることができません。そのため、ビタミンCが含まれているモルモット専用フードを常備しておく必要があります。代用品としてラビットフードとビタミンCが含まれている野菜や果物を毎日あたえることで補うことができます。人間用の固形のビタミンCでも代用ができます。
歯の伸び過ぎを防ぐために、かじり木や牧草を固くブロック状にしたものが市販されているので用意しておくといいでしょう。
回虫が見つかりできる場所
適温は18~24℃、湿度は40~70%です。寒さには比較的強いのですが暑さには弱く、夏は、太陽の光があたるところには絶対にケージを置かないように注意し、日よけや風通しのいい場所を探しておきます。冬は、冷たい風を避けるために毛布などでケージをおおうか、牧草などの巣材をいつもより多めに入れておきます。
毛が飛び散るので、ブラッシングをする際には人の少ない場所に移動するなどの配慮をしましょう。
<ハムスター>
小動物のなかでも小さな種類です。家庭で使用しているハムスターケージにも金網タイプ、プラスチックケージ、水槽とさまざまですが、緊急時にこれらのケージを持ち、避難所に移動するのはとても困難です。
ハムスター自身も体が大きく揺れ、物にはさまるなどの危険が伴います。これを避けるためには、ハムスター用のキャリー(トイレも入るくらいの物)やふたつきのプラスチックケースがお勧めです。
ハムスターは脱走の達人なので、ケージのフタがきちんとロックされている事を確認し、扉にはカギをかけ、十分気をつけて移動しましょう。
かじり木は歯が伸び続ける種類の動物には必須アイテムです。ストレス解消にもなります。
適温は23~26度。夏には熱中症の対策を、冬には気温が10度以下になると疑似冬眠をしてしまうので気をつけましょう。
応急処置として人肌で温めたり、状況が許すならばドライヤーで温風マッサージをしてあげるといいでしょう。
目が覚めたらぬるま湯でとかした砂糖水など栄養価の高い食べ物を与え、まる一日は28℃以上の環境においてやります。
<プレーリードッグ>
うさぎや小型犬用のケージを使用していると思われますが、災害時は、持ち運びが可能な鳥かごや小さめのプラスチックの収納ケースなどがあると便利です。ただし鳥かごの場合、手や口でガタガタと音をたてたりして、避難所では迷惑になる場合があります。何で運ぶにしろ、脱走には注意しましょう。
歯がのびるのを防ぐために、かたい木なども用意しておくと長期の避難生活になった場合役立つかと思います。
適温は20~23度程度、高温多湿を嫌います。太陽の光を避け、冬場は最低でも15度以上あるのが望ましく、夏は、ケージの上に冷やした布を置くなどして温度管理に注意をします。
どの小動物も、体臭と排出はかなり独特なにおいがあります。避難所では周囲の人に迷惑にならないよう、こまめに掃除をし、消臭スプレーなどでケアをすることを忘れないようにしましょう。
小動物は、有事にあっても心のよりどころとなってくれることでしょう。日ごろから準備をすることで行方知れずになることを防ぎ、少しでもストレスを和らげるようにしてあげたいものです。
参照リンク
新潟動物ネットワーク「東北地方太平洋沖地震被災地応援ボード」
特定非営利活動法人アナイス「災害が起こったら」
(海野愛子/ユンブル)
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